これからのPC環境で普及が見込まれるNVM Express接続のSSDは、動作中は手で触れないほど発熱しがちだ。それが原因で発熱抑制機能が作動し、せっかくの高性能が発揮できない場合が多い。本製品は、その状況が気になるPCオーナーにお勧めできる逸品だ。 本製品は、M.2からPCI Express x4へインターフェースを変換する役割を持つ。元来液体冷却用の設計だが、冷却機構を水冷ヘッドから分厚いヒートシンクに変え、価格面での敷居を下げている。 だからといって冷却機構に手抜かりはない。SSDの両面を熱伝導シートで挟み、さらにその上をしっかりとしたつくりのヒートシンクで圧着させる機構は、効果抜群だ。実際にSSDをフル稼働させたところ、自分のPC環境(MicroATXケース、直近にグラフィックスカード≒高熱源…あり)でも40度程度(筐体内の温度とほぼ同じ)になった。 肝心の組み立て作業は難しくない。説明書きやWebで提供されている有志のレビューも参照されたいが、10分程度で終わる。ちなみに、SSDを取り付けるねじとナットは、樹脂製のものも用意されている。これを用いたときは、隣接する拡張カードとねじが干渉することがある点には注意だ。また、ヒートシンクの取り付けをスムーズに行うには、専用のねじ2本を対角線上に穴にはめ込んでから、マスキングテープなど粘着跡が残らないテープでねじの頭を仮止めしてから取り掛かればよいだろう。なお、このねじはテンションが適切にかかるところで締めきることができる。この例のように、製品としての作りは丁寧だ。一方、ヒートシンクはカードのブラケットに対して平行の方向で溝が作られているので、より冷やしたい場合は、(環境が許せば)PCケースのサイドパネルにファンを取り付けるのが妥当だ。 むしろ、本製品は、導入前の調査のほうが重要だ。というのは、以下の条件を満たさないと、本製品はただの板になるからだ。 ・通信規格がPCI Expressで、物理的な接続規格にM.2を採用したSSDを持っていること ・本製品を取り付けるマザーボードにPCI Express x4スロットが実装されており、かつ、それが、大型の拡張カードなどで塞がっていないこと ・本製品を取り付けるマザーボードのファームウェアに、起動制御用のIC(Option ROM)相当の機能が実装されていること