二台のDA-P1を使っており、その一台をHD-P2に変更しました。もう一台(バックアップ用)もHD-P2にしたかったのですが、何せ高価な機械なので躊躇していました。DR-1が好印象だったので、上位機種DR-100が出たと聞き渡りに船と購入してみました。比較対象が業務用録音機なので、少々辛口な点も出てきます。 なんというか、製品の方向性が見えてこないんですね。四角い箱の全面にぎっしりスイッチとボタンとコネクタと蓋を並べ、ありったけの機能を入れています。作る側の気合いはよく伝わります。でも、業務用コンデンサマイクを繋ぎたいと思っている利用者が内蔵マイクをどれだけ使うのだろうとか、その手の利用者には感度切り替えよりdB単位のPADの方が判りやすいんじゃないかとか思ってしまうんです。しかも内蔵マイクは2系統4個。DR-1なんかで評判のいい単一指向性のに加え、無指向性のがステレオで入っています。無指向性のペアマイクというのはホールで結構重宝するものですが、この製品のは音楽録音向きではなく、会議の録音を狙ったもののようです。小さなスピーカも内蔵していて、本体だけで音を出すことができます。ただ、こういう大型のレコーダを会議に持ち込むかというとどうかと思います。むしろ往年のビジネスMD、ソニーのMD-B100やB10みたいなタイプの方がいいんじゃないかな。会議ではなく取材でも、今ではもっと小さいICレコーダが沢山あるのですし。 結局、主な狙いは本格的なマイクも使ってみたいという音楽ファンで、「ビジネスにも使えます」って言い訳(あるいは機能比較表対策)としてこんな機能をもたせているのでしょうか。虻蜂取らずにならないといいのですが。 肝腎の音は良好です。バックアップ用としてXLRにRODE NT4やNT5をつなぎ、DR-100でファントムを掛けながら合唱、クラシックギター、ピアノ独奏などのホール録りを試みました。ファームは1.10、96k24bitもいけるファームウェアですが、どのみちCDで演奏者に渡すので44.1k24it のWAVです。音質重視という謳い文句に違わず、S/Nが良く、粒子が細かく、誇張感も特にありません(この誇張感のなさはDR-07、DR-1、DR-100共通で、業務用録音機みたいです)。RODEでこれだけ録れるのだから、もっといいマイクを奢ってやれば一昔前の業