刃厚もそれなりにあり全体が金属製なので強度は十分にありそう。ロックが確実にかかり、ガタも全くないので使っていて不安はない。値段が安いので壊すのを覚悟でバトニング等にも思い切って使える。重さを利用して藪漕ぎのチョッピングもそこそこいける。箱出しの切れ味はそれなりだが、きっちり研ぎ直せば何の問題も無い。鋼は中国材だけど、他に持ってる420J2が使われているナイフよりも刃付けがしやすく若干刃持ちも良いような気がする。重心はハンドル側にある。シンプルであまり飾り気がない外見も自分好み。 気になる点は、他の人も指摘しているようにネジが緩いのとクリップが邪魔なこと。ネジは自然に脱落するほどだったらしく1本紛失した(手持ちのネジで代用中)。クリップを使うような重量でも大きさでもないので、クリップ自体はただ持ちにくくなるだけの飾りと化している。ネジの増し締めとクリップ取り外しのためにT6のトルクスレンチがあると良いと思う(クリップ、ハンドル固定ネジ共にT6で共通。ホームセンターで200円ほどで買える。)。クリップを外すとハンドリングはかなり良くなる。副産物として見た目も良くなる。 好みが分かれそうな点は、重量が重いこととハンドルが金属で冬は冷たいことだろうか。並のシースナイフを寄せ付けない重さは可搬性を下げる代わりにやや太い枝でも切断できるパワーが得られるので一概に悪でもない。ハンドルが冷たいのはまあ、手袋で。木と違って腐食や割れの心配がないのは良い。個人的には木が好きだけどこれもあり。 総じて良いナイフだと思う。欠点もレンチさえあれば些細なことで、オールラウンドに使えて取り回しが良い。壊れたら買い直す、使い捨てのつもりで買ったけど(増し締めが必要なことを除いて)今のところ壊れる気配はない。実際壊れても買い直しやすい。あと500円ちょっと出せばモーラのコンパニオンが買えるのが悩みどころだけど、最終的な強度はモーラに譲るとしても汎用性の高さはこちらの方があるように感じる。壊れる手前で加減して使えるならかなりコストパフォーマンスが良い。