【温度・消費電力について】 Intel Core i9 7900Xの登場以降、Intel CPUは検証機材に使用するマザーボードに依るとはいえ基本的にIntelの仕様を満たす電力制限が無効化されているので、「Intel Core i9 9900K」も例にもれず多くのレビューでCPU温度と消費電力が非常に高いと評価されることが多いですが、当然ながら、電力制限をIntelの仕様に合わせて設定すれば問題なくTDP95WのCPUとして運用することができます。TDP95Wに制限した場合の性能についても各章で紹介した検証結果の通り、全コア4.7GHzで電力制限を無視した時よりは当然下がりますが、それでも8コア16スレッドCPUらしい性能を発揮しており、決して”爆熱”等の誹りを受けるCPUではないと思います。 ただしマザーボードが電力制限を無視している設定を標準設定に採用しているケースが多いことも事実です。電力制限自体は簡単な設定ではあるものの、一般ユーザーがそのまま使用するとほぼ確実に全コア4.7GHzの動作になることが予想されるため、検証結果の通り一般的な空冷CPUクーラーでは運用が難しくなっており、「Intel Core i9 9900K」で自作PCを組むのであれば240サイズ以上の簡易水冷CPUクーラーを使用するのが無難です。 【クリエイティブ性能について】 3Dレンダリングや動画のエンコードなどコンテンツクリエイトに関する性能では、長らくIntelのメインストリーム向け最上位として君臨し続けた4コア8スレッドCPUの最後を飾ったCore i7 7700Kに対して概ね2倍近いパフォーマンスを発揮しています。 同じく8コア16スレッドで競合製品のRyzen 7 2700Xと比較すると、3DレンダリングやRAW現像については動作クロックの差で性能がそのままスケーリングする感じです。動画のエンコードについては既知の情報ですがRyzen CPUが比較的に苦手とする分野なのでCore i9 9900Kや下位モデルのCore i7 9700Kが上位に食いこんでいます。ただしCore i9 9900KとCore i7 9700kは従来比で価格が跳ね上がっているので、コアスレッド数でそのままRyzen CPUと競合製品として比較してよいのかというと疑問が残ります。現状ではRyzen