ハーモニーもしくはオスカー・シュミット、ワッシュバーン、スーパートーンなどの戦前パーラーギターを3本ほど所有したことがあります。 もう100年近くも前で、マーチンのような高級モデルではない通販チーピーが多いため、まともに弾ける状態のものはあまり残っておらず、よよく修復された1920年代のスーパートーンだけが驚くほど素晴らしい鳴りを持っていました。もちろん小さいサイズらしい、軽い響きです。他の楽器を買うために手放しましたが、買った価格より高く売れました。このアリアの「ミニアコースティック・ギター」は、ほぼ、こういった「安物戦前パーラー」の復刻に近いもので、ある意味貴重です。 こんなニューモデルはアメリカメーカーのどこを探してもありません。戦前マーチン以外、このサイズで音が深く響かないのは当たり前で、別に作りが悪いせいではありません。ピックでジャカジャカとストロークするとか、綺麗で伸びやかなフィンガーピッキング奏法をしたいなら避けた方がいいです。古いパーラースタイルにはそれに合った音楽があります。古いヒルビリー、ラグタイム、カントリーブルースといった、ベースをミュートして弾くスタイルにはびっくりするほどはまります。そういう意味でこれは特殊用途には抜群の性能を持っているギターだと思います。