まず、箱から取り出した時点でニンマリしてしまいました。小型・軽量でありながら、非常に上質感のある造りだからです。 鏡筒は冷んやりとした手触りの金属製で、文字は溝に塗料を流してあるタイプです。LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4がプラスチック筐体で文字も印刷仕上げだったのと比べると、同じライカ銘のレンズでも、こちらは外装の仕上げにもかなりこだわったことが伝わってきます。 さらに、金属製のフードを装着するとき、最後に吸い込まれるようにカチッと固定される感じや、絞りリングのクリック感にも精密に組み上げられたレンズならではの手応えがあります。 特筆すべきはマニュアルフォーカスリングのぬるっとした滑らかさです。自分が所有しているマイクロフォーサーズのレンズのなかでは、オリンパスのPROレンズがしっとりと滑らかなフィーリングで好きなんですけれども、それよりもさらに滑らかにぬるっと回転するので、必要もないのにマニュアルフォーカスをしたくなります。 肝心の写りについては、言葉で説明するのが非常に難しいのですが、一言でいえば情緒があるといいましょうか、明るいのでボケるとかいう単純な話ではなくて、その場の雰囲気を伝えてくれるような写りをしてくれます。 ライカ銘であることによるプラシーボ効果の可能性もありますけど、このレンズの成り立ちを考えると単純にそうとも言い切れない気もします。 パナソニックのライカ銘のレンズは、パナソニックが設計・生産を担当していますが、設計図が出来上がるとライカの担当者に見てもらって修正するというプロセスを何度も繰り返し、さらに生産工程でもライカの担当者から色々な指示があるそうです。 ライカがドイツで製造している生粋のライカのレンズには敵わないとしても、ライカが培ってきたレンズ設計や生産のノウハウがこの日本製のレンズにも注入されていることは間違いないです。 というわけで、カメラや写真が趣味で、こういった「造りの良さ」や「写りの良さ」が理解できる人にとっては、このレンズの価格は決して高くないと思います。 手元にあれば所有する喜びや、写真を撮る楽しさを存分に感じさせてくれる優れたレンズです。 お財布に少し余裕がある人には、ぜひおすすめしたいです。