このレンズの最大の魅力は非常にコンパクトな大口径レンズであることかと思う。APS用レンズだとしてもこの取り回しやすさの恩恵は小さくなく、昼夜を問わずに持ち歩ける常用レンスとして、今までに撮ることができなかったようなシーンを表現してくれる力がある。この明るさは星空風景写真などにも期待されると思うが、開放での周辺部のサジタルコマフレアの発生は多少目立つが、星像中心部の集光部分のまとまりが良く、開放からのパフォーマンスが良好だと言える。F1.4 ISO1600の設定では、よほど暗い空の下でも露出20秒ほどで適正となるため、赤道儀(星を追尾する装置)を用いないで固定撮影でもきれいな星空、そして天の川が容易に表現可能だ。 また、本機のもう一つの魅力として、フルサイズ機に装着すると、APSよりや屋広い画角をカバーできると言うことだ。これは一般撮影でも星空撮影でも有効で、発売当初はかなり長いフードが付属していたのでケラレが大きかったため、私はフードを短く切ってフルサイズ用に整形して使用した。現在のフードは短くなっているようだが、脱着してケラレを確認すると良いだろう。 私はα7R III用の常用レンズとして本レンズを使用しているが、比類ない明るさと素晴らしい画質、そのコンパクトさは現行の渡のレンズにもない魅力を感じる。夜の街角や気軽な星空撮影、旅先での夕暮れ時〜夜にかけてのさまざまなシーンに威力を発揮する頼りになる1本だ。この価格に押さえてくれたSIGMAに感謝したい。 添付の画像はα7R III SIGMA 16mm F1.4 DC DN F1.4開放 ISO 1250 1/30秒 手持ち撮影、フルサイズノートリミングです。