手が小さいのもあって今までソプラノ管をいくつか使っていたのですが、そろそろアルトも欲しいと思っていろいろ検討していました。 　工房製の2万くらいのものを考えていたのですが、メインで使うのがSCやSFなのは変わらないのでちょっともったいない気もして、かといってプラスチックは絶対嫌だし、1万以下の入門モデルはSF、SC一本ずつ持っていますが表情がつけにくく、音色はプラより断然いいですが低音域と高音域の音程が不安定。 　なにより、最近の入門モデルは少ない息で吹けるというのをセールスポイントにしているようで、管楽器経験者の私には息が余りすぎて逆に苦しい。 　そんな中、こちらを使っている方の動画やブログをみて、これはいけるかも、と思いダメ元で購入してみました。 　これは予想以上にいいです。 　まず音程がほぼ合っている。楽器の特性上完璧とは言えませんが、1万以下の陶器としてはかなり優秀です。 　音色も、温かい、丸みのある音で、プラや粗悪な陶器にありがちなスカスカした雑音はしません。特に低音域の、ぽぉ～っという響きがすごく癒されるいい音です。 　息の量は多くも少なくもなく私にはちょうどいいので、何か管楽器をやっていた方や男性は問題ないと思いますが、楽器や歌に縁がなかった女性だと苦しいかもしれません。でも吹いて行くうちに肺活量は増えますから、これもそんなに気にしなくていいと思います。 　手持ちの個人工房製に比べると音の表情がつけにくいというのはあります。しかし素焼の特性なのかとても素朴な温かさがある音色なので、ばっちり盛り上げてヴィブラートかけて、っていうよりは、癒されるようなほんわりした演奏に向いていると言えます。ちなみに表情つけにくいとは言っても、この価格帯の中ではつけられる方です。 　あと、若干気になったのが重さ。結構重く感じます。吹き口の向きもあまり左に角度が付いていないので右手の構えがちょっと辛く、そこに重さも加わってすぐに手が痛くなりました。でもこれも、使っているうちに慣れるだろうと思います。 　素焼の質感は人によって好みがあると思いますが、きめ細かいのでこのままで使用に問題はなさそうです。特に唇が渇くとかくっつくとかいうのも感じませんでした。自分で上に塗ると音に影響が出そうなので、私はこのまま使い込んで経年変化を楽しもうと思います。 　総合的に見て、初めてオカリナ