注文履歴を確認したところ「お客様は、2015/9/30 にこの商品を注文しました。」と表示されるから、かれこれ3年前に購入したことになる。購入後使うこと無く仕舞い込んで居たが、この度初めて使用してみた。 中身を確認するとver.9 とのシルク印刷があり、3個の電解コンデンサー並びに4つのコイルが大きな部品として目に入る他は、ほぼ面実装のチップに置換されていた。つまりは既に3年前の時点で掲載の写真とは異なるバージョンがアマゾンで売られていたことになる。この為、部品交換して改造する事は殆ど不可能である。 音質だが、Lepai-2020A+ や2024A+ が中域がやや弱い一方透明感の有る高域に味があるのと対照的に、本機は中域の層が厚く、昔の表現で言えばレコード針の針圧を高めた様な音が出ていた。これが first impression である。但しガツンと身体に来るべきピアノの低域は不足する。 コンドラシン指揮のチョン・キョンファ(鄭 京和)の Beethoven violin concerto の1楽章を試聴したが、violin の弦の音が太く元気になりすぎていた。再生はPCから Foobar2000 にて出力しDAC 経由で本機に繋ぐ。 そこで、PCの Foobar2000 のイコライザーを表示させ、620Kz ~2.5kHz 部分を時計皿の様に凹ませ、10kHz より右を下げると同時に220Hz より左を上げるカーブとしたところ、強すぎて暑苦しい中域が無くなり、音全体にスッキリとした透明感が出た。チョン・キョンファの奏でるガルネリの艶やかでいながらやや枯れた情熱的な音色が問題無く再現され、聴いていて引き込まれてしまう。定位のガツっと決まるところや全体の音の滑らかさは2020A+ や2024A+ を凌駕していると感じた。木綿豆腐と絹ごし、いやゴマ豆腐ぐらいの差だろうか。この操作でピアノなども硬さが抜け、音が撥ねて聴いていて楽しくなる。 私と同様の中高年者が本機は音に暖かみがあると表現する例が多いが、中域の押しの強い音質をその様に言っているのだろう。2020A+ や2024A+ では透明感の有る高域が出て捨てがたいが、聴き続けている内に何かが足りないと覚える様になる。これは中域が出ないが故だが、これらでは中域を凹ませず、逆に上に向けて凸にするイコライ